03.センチメンタルな話 5月 15 2023 【センチメンタルな話7】此処じゃない何処かのことばかり考えていましても ゆなちゃんの潤む目を見た時自分は何で海外へ行こうとしているんだろうと思った。明後日にはマレーシアに飛び立つ。1年以上前から計画して、昼も晩も働いてお金を貯めてこの日を待ち望んできた。それなのに、こんな… 続きを読む
03.センチメンタルな話 5月 5 2023 【センチメンタルな話6】あるおっぱい、ないおっぱい 仙台駅の改札から蓋を切ったかのようにサラリーマンが溢れてくる。時刻は8時半をすこし回ったあたり。通勤ラッシュだ。その間をすり抜けて改札にすべりこむ。自分に向かってくるサラリーマンの群れを逆行していく時… 続きを読む
03.センチメンタルな話 4月 22 2023 【センチメンタルな話5】会津若松からマンハッタンの摩天楼は見えない 鶴ヶ城が燃えているとの叫び声を聞いた時、どれだけの絶望が彼らを襲ったのか想像ができない。 そこが自分の全てで自分の中心。それが無くなることは全てを失うことと等しい場所。10代の時なんて学校が全てだっ… 続きを読む
03.センチメンタルな話 4月 13 2023 【センチメンタルな話4】質問する前からその答えを期待してる 仙台国際空港には中部国際空港から約1時間のフライトで到着した。意識して深く呼吸する。新しい土地の空気を吸い込んでみる。特に何も変わらない。それもそうか。ここは日本だもんな。世界一周に出る前に、東北に来… 続きを読む
02.ガールズバーの話 4月 3 2023 【ガールズバーの話12】家に帰るまでが遠足ならば、家を出る前も遠足だよね 横でゆなちゃんの寝息が聞こえる。あのガールズバーでの日々が幻ではなく、自分の人生に確かに存在していた時間であったことを証明してくれる。3月31日にガールズバーでの最後の出勤を終えた。お別れに用意したガ… 続きを読む
02.ガールズバーの話 3月 28 2023 【ガールズバーの話11】お察しください。ルール違反です。 とてつもなく気持ち悪い文章を書こうと思っている。このセリフはテスト当日にまじノー勉だわぁとふれ回る行為に似ている。本人は点数をとれなかった時の保険のような感覚なのだが周りは勘づいている。確実に勉強して… 続きを読む
04.劇団の話 3月 26 2023 【劇団の話4】サヨナラはハグとキスで誤魔化せない 合コンの後、女2人で飲み直そうとお店を移動しようとすると1人の男が俺も、と言ってついてくる。何回も2人で飲みたいからとやんわり断っても諦めない。結局、引き離すのに30分もかかった。 そんな彼を「サヨナ… 続きを読む
02.ガールズバーの話 3月 16 2023 【ガールズバーの話10】ダブルベッドの人は夢とお前は抱かない シングルベッドで夢とお前抱いてた頃。 自分にとってどんな頃なんやろうとガールズバーの店内で歌いながら思う。頻繁に来る王子と呼ばれる青年は延長確認のときにカラオケバトルを仕掛けてくる。山田さんが〇〇点以… 続きを読む
02.ガールズバーの話 3月 6 2023 【ガールズバーの話9】いつか、あの人は今になる エレベータはどんどん高く上がっていく。見下ろす景色は遠くひろがって、ミニチュアみたいに小さくなる。エレベーターのドアが開くと足早にカフェに向かった。 まだ、来てないよな。予定の1時間前なのだから無理も… 続きを読む
04.劇団の話 3月 1 2023 【劇団の話3】マドンナもうんちはしない LINEのタイムラインに誕生日の友達が表示されていた。学生時代のゼミのマドンナの名前。その人に対してマドンナなんて初めて使ったし、ファンクラブがあったとかではないけれど、男だけの飲み会で可愛いランキン… 続きを読む