【タイの話7】出会いに支えられている

バンコク最後の日は宿で知り合った美容師の丹羽さんのコンドミニアムにお邪魔することになった。

バンコクで店を出すために、日本での生活に区切りをつけて移住して来ている。
起業に対する熱い思いや、人との関わり方など話しを聞いていく中で僕は丹羽さんに惹かれていた。
一緒に何度もご飯に行き、今後もバンコクに来たら会いたいと思うような人だ。


37階建てのコンドミニアムの屋上にはプールがある。
そこから眺めるバンコクの夜景は言葉にし難いぐらい美しい。

「彼女と使ってもらって良いですよ」
と言ってくれる。

ぜひともそうさせて欲しいと思った。
この景色を見て喜ぶ彼女の姿を想像するだけで胸が高鳴った。


翌朝、丹羽さんに別れを告げて空港へ向かう。
きっとまたここには帰ってくる。
その時は丹羽さんに髪を切ってもらおうと思った。



夜の夜景ばかり見ていたけれど、朝日が差し込むバンコクも美しかった。

タイでは色んな人に出会った。
ここには全て書ききれなかったけど、本当にたくさんの人にお世話になった。
一つ一つ思い出すだけで胸が温かくなる。

凄い景色ではなく、人とのささいなワンシーンの方が思い出深かったりする。
たぶん、バンコクの話をする時は
「こんなところにいったよ」とかではなくて「ここでこんな人とこんな話をしたんだ」ということの方を話すだろう。

僕の旅は出会いによって支えられている。
あの人がいなかったらこんな気持ちになれなかっただろうなということがたくさんある。

一人ひとりに感謝の気持ちが溢れる。
かけがえのないものだ。

もっとこの場所にいたいと思ったけれど、旅を進めていく必要がある。



次の国では僕が心から憧れたビッグイベントが控えている。
その瞬間を想像するだけで鳥肌が立って興奮する。
また誰も知ってる人がいない国だ。
不安もたくさんあるけれど、どんな出会いが僕の旅を彩ってくれるのか、それが楽しみだ。

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